先週はSkateSlateMagazineの日本語翻訳版第一弾をお届けしました。第二弾は2013年の夏に掲載された、日本に関する最初の記事です。もともとこの記事は、日本を訪れる海外のロングボーダーたちが、きちんとしたリスペクトを示しながらスケートをできるようにという目的で書かれました。言うまでもなく、日本は素晴らしい坂の宝庫です。ただ、好き勝手にスケートをされてしまうと、今まで日本のスケーターたちが守ってきた環境が台無しになってしまいます。ロングボードの楽しさを広めるには、今まで積み上げられてきたものを壊さないことが重要です。では、SkateSlateMagazine(2013夏)、 “BREAK OF DAWN” をお楽しみください!

筆者:SKATE[SLATE] Japan Author Dan Pape
訳者:浦上 皓平

Break Of Dawn Japanese Editionskateslate.jp

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2005年僕と妻 Landyachtz DropCarve, Randals and Kryptos

謙虚さ、そして尊敬の心が重視されるこの国。それらを知ることによって、僕は日本への理解を深めた。もう異邦人とは呼ばせない。訪れるのはこれで4回目であり、丸一年住んだこともある。今では自分の家族の半分が日本人だ。しかし、日本に関して知るべきことはまだまだ沢山あるし、ロングボードコミュニティーに関しても未だに実態がよくつかめない。十年ほど前に住んでいた頃、数人のスケーターと出会うことができたが、当時のロングボード人口はまだまだ、かなり小規模なものであった。

約1億2700万人もの人口が、モンタナ州とほぼ同じくらいの広さのところに住んでいるこの国では、人々はどのようにして共存するのであろうか。また、そうした人口密度の高い国で、スケーターたちはどのようにして混雑する公道を攻略するのであろうか?

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読者の皆さんも、日本の素晴らしい自然と環境の坂道を、一度くらいは、写真で見たことがあるだろう。緑に囲まれた、どこまでも続く山道。見たこともないような魅惑的な木々や植物、そしてバターのようにスムーズで感触のいいアスファルトの路面。しかし、このような場所に、格安な航空券とGoogle Mapsによる少々のリサーチだけで辿り着けるわけではない。

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日本到着の翌日、尾利出 あゆみさんと、彼女のクルーが運転する車に同乗し、現地へ向かうこととなった。横浜市で集合し、僕たちの旅はそこから始まった。

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二時間ほど走ると信じられないような光景が現れた。スパゲッティのようにくねくねした坂道を進むにつれて、今すぐにでもスケートがしたいという衝動に駆られる。目的地に到着したと告げられると、我慢はもう限界。しかし、自分の中で疑問がわき始めていた。「こんなにも粗い田舎のアスファルト。こんなところで、まともなスケートが本当に出来るのか?」そう思いながら進んでいくと、先程までガタガタだった路面が、いきなり、舗装されたばかりのきれいなアスファルトへと変わったのだ。お互いの詳しい自己紹介は、ご馳走の時間までとっておく。とにかく今はスケートだ。スケーターとしては、滑ることが真の自己紹介かもしれない。人もいなければ車も通らない。完璧な坂、そしてスケートの事をよく理解している最高の仲間達。長い道は、ゆっくりと海沿いを辿りながら進んでいく。与えられた環境の中で、どれだけ自分のスケートをするかが、このスポーツの真髄だ。少しずつ日本のスケーターのやり方がわかってきた。とにかく都市部よりも遠くへスポットを探しに行くのだ。

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セッションが始まってから一時間ほどで、雹が降り始めた。クルー達は、もっと標高の高い地点に移ることを決めた。「もっと上へ!?」と言わんばかりに僕は 仰天した。僕達はすでに雲の高さまで到達していた。風車に囲まれた山頂まで登ると、雹からは逃れたものの、霧と雨が後から僕達を追ってきた。上級のスケー ターでもこれにはかなわない。空腹にも襲われ、その日はとりあえず退散。次の日に予定していたスポットへ向かうことにした。お好み焼き屋に着いた時点で、 辺りはすでには真っ暗。その日は、疲れを癒すためにも目的地まで30分ほどのところにある温泉旅館に泊まることにした。最高のスポットを回るには、ひと部 屋に布団を四枚敷くらいがちょうどいい。お財布にも優しい。

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最終日、僕は小河 圭介さんのワゴンに乗り、次の目的地へと向かった。小河さんは、単なるトラベルガイドではなく、スケートをするにあたってのリーダーでもあった。彼は既に 四十歳を超えていたが、スポンサーを求めるティーンのようなアグレッシブな滑りをみせる。最終日はスケートをするのに完璧な天気だった。暑すぎず、湿気も さほどない。セッションが始まる前、僕たちは近くの農場で果物、ジュース、お茶、弁当等を買い揃えた。目的地へ向かう途中、僕は完全に方向感覚を失ってい た。スケートコースの一番上にいるのか、それとも下にいるのか。現在地が理解できるようになったのは、頂上についた頃だったが、この坂が素晴らしいという 確信は僕の中で既にあった。立て続けに現れるのは一段ずつ深さが加わっていくヘアピンカーブ。この坂を降りていくにあたっては、少しのミスも許されない。

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僕 たちがいた高地は、道路のすぐ脇まで茶畑で埋まっていて、実に素晴らしい景色だった。セッションが始まってから二十分くらい経過した頃、近くの集落から 農家の方が来て、スケートはやめたほうがいいと僕達に詰め寄ってきた。彼は別に僕達を怒りの感情とともに、そこから追いだそうとしにきたわけではないの だ。あくまでも口調は丁寧で、次へ進むよう求めてきただけなのである。このエピソードによって僕は、日本のスケーターがトラブルを起こさずにどうやって地 域の人々と共存しながら愛するスケートボードをやり続けることができるのかについて、もう一度理解することができた。

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ここでもう一度、 チームとしての作戦会議。彼らと一緒に過ごした間、独断の行動や選択は何一つなかった。その場でもう数時間長く滑っても、何か問題 が起こりそうなわけでもなかったが、無理はしないことに決めた。結果的には農家の方が正しかったのかもしれない。一年のうちで交通量がとても多い時期だっ たのだ。そのことをスケーターたちはよく知っていたし、その日のためだけのために、その場所でのスケートが今後禁止になれば、本末転倒である。そこで我々 は、クルーが事前に用意していたバックアップスポットへ向かった。宅間兄弟は、こういうときのために最高のキラースポットをバックポケットに隠し持ってい たのだ!その場所に着くと、車を坂に停め、僕たちは徒歩で、「この先車両通行禁止」と記されているバリケードを超え、坂を上っていった。少々時間はかかる が、素晴らしい坂のためであればなんてことはない。日本の素晴らしい人々、最高のライダーたち、そして車の通らない坂。なんて至福の時間なのだろう。

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数 時間後、気がつくと出発地点と同じ横浜市に戻っていた。締めのディナータイムだ。初日の歓迎ディナーと最後の晩餐、どっちが良かったかと聞かれる と迷ってしまうが、やはり後者を選んでしまう。なぜならば、食べ放題&飲み放題。しかも、合わせてたった5000円ですんだのだから、こちらに決まってい る。夕食の間、今回の旅で起きたこと、見てきたこと、そしてそこからわかった日本のロングボード事情が僕の頭の中を駆け巡っていった。一緒に時間を過ご し、スケートや撮影を共にした仲間たち。あり得ないほど素晴らしい坂、そして山道。移動するたびに変化する自然の景観と緑。そして日本のスケーターたちが どこへ行っても忘れない尊敬の心と謙虚さ。日本の文化と思想はとても優れている上、それらを辿るロングボードコミュニティーには未知の可能性が待っている に違いない。日本を去るというのは、自分にとっていつも悲しいイベントの一つである。初めて日本でボードに乗ったその日以来、日本にもいつか素晴らしいダ ウンヒルのコミュニティーが実現する夢を見ていた。今年はそれが実現しそうであるし、もうすでに実現しているかもしれない。この記事が読まれている時点で は、Loaded, Kebbek, SkateHouse, Caliber, RAD, Landyachtz, そして我らがPatrick Switzerも既に来日しているだろう。今年は日本の年だ。我らのコミュニティーは世界中に素晴らしい坂を求めて旅を続けているが、日本がロングボー ダーの楽園だという事実が僕にははっきりしている。日本のスケーターたちは、この楽園で共存、そして成長する努力を様々な方面から成し遂げてきた。ショッ プオーナー、コミュニティーリーダー、そして地域ごとに存在する数知れずのクルー。彼らは皆、知識を共有し、一つの大きなチームとしてお互いを助けあうの だ。何よりも忘れてはいけないのは、世界中のクルーが日本を訪れるにあたって、日本のスケーターたちが守ってきた秩序やルールをリスペクトすることであ る。素晴らしい坂と環境。それらはここの魅力の一部にすぎない。

Translation by Kohei Urakami

Photo Contribution by Fifer

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SKATE[SLATE]翻訳版シリーズ Vol.1

“方向転換 Issue 17 Page 40″

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Japan Edition Break of Dawn skateslate.jp

 SkateSlateMagazine Issue 12 Page 64 Japan Edition

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